愛興洋蘭園って・・・?

 

 私達、愛興洋蘭園は、品質の高い胡蝶蘭の生産に力を入

れています。大輪で花の輪数が多く、葉も大ぶりになるま

でゆっくり育ててから出荷するのです。小さな株の胡蝶蘭

は短い時間であまり手間をかけなくても花を咲かせます。

大輪の胡蝶蘭は当然、出荷までの時間はかかりますが、そ

のぶんホームセンターなどでは売っていない高品質の胡蝶

 

蘭を生産できるのです。

 

 鉢物の胡蝶蘭は注文に即対応して出荷できるように体制

を整えておくことが重要です。

 愛興洋蘭園には今、従業員が17人。受注に余裕を持っ

て対応するため、40アール10棟の温室は、育種室と開

花室に分かれています。温室にはピンク、白、黄色など

の 胡蝶蘭が咲き乱れています。 花が咲いた株から選りす

ぐって、市場や問屋、花屋さんに胡 蝶蘭を毎日出荷して

います。

 スタンダードの3本立以外にも、5本立、7本立、2

0、30本立なども注文に応じてすぐ出荷できるようにし

ておかなければなりません。50、70本立の注文もあり

ます。東京の花屋さんから午後5時に注文を受けても、当

日の納品が可能な状態を維持するのは大変です。最近で

も、深夜1時、2時に注文が入って、翌日納品なんてこと

もありました。だから、従業員のみんなと「うちは胡蝶蘭

のコンビニだな」って、笑いあうことさえあります。

 

 オリジナルの胡蝶蘭の生産にも力を入れています。黄色

とピンクの中間色のルレーブや貴婦人ゴールド、カナリ

ア、桜襲(さくらがさね)などは当農園で交配し、独占的

に生産している品種です。このほか、白、ピンク、白赤な

ど、大輪モノは愛興洋蘭園で交配したオリジナル品種が大

半です。

 

 今、胡蝶蘭業界では、「メリクロン苗」が多くなってい

ます。植物の一部分を取ってクローン化するもので、どの

株も大体同じような花が咲きます。愛興洋蘭園でもこのメ

リクロン苗を使っていますが、同じ種類ばかりを大量生産

する方法は取っておりません。多くは当農園で開発した5

0種類のオリジナルの株です。経営効率だけを考えれば、

少ない種を大量生産すれば当然受注管理も簡単になるので

すが、そうするとオリジナルの胡蝶蘭を生産することがで

きなくなります。

 

 同じ株からとったメリクロン株を掛け合わせても、新し

い種類の花はできません。少ない種類の株ばかりが栽培さ

れると、将来、どの花屋さんにも同じ形、色の胡蝶蘭が並

ぶことになり、逆に農家の発展を阻害するかも知れないの

です。実生だからできる個体の特殊性を、この目で見なが

ら育てるのが、胡蝶蘭栽培の面白さでもあり、同時に大変

な点でもあります。

 

 花の生産を始めたのは三十数年前になります。小さな田

んぼに自力でビニールハウスを建て、カーネーションの生

産を始めました。大学で園芸を学んでいたとはいえ、実際

の農業と大学で学んだ農業との違いに苦労することも多か

ったですね。

 その後、バラの生産を経て、十五年程前から胡蝶蘭の生

産にシフトしました。

 

 1日に2~3回収穫しなければならないバラに比べて収

穫期が長いから重労働から開放されるかもしれない、と始

めた胡蝶蘭。確かに計画的な出荷ができるようにはなりま

したが、今では切花生産と違い、胡蝶蘭はひとつの花にか

ける手間が大きく、従業員が増えました。植物が相手なの

は変わりませんが、人との関わりも大切な仕事のひとつに

なりました。


有限会社 愛興洋蘭園

〒350-0001

埼玉県川越市古谷上4272

TEL 049-235-2619

FAX 049-235-7720

メールでのお問い合わせはこちら

代表取締役社長 松本正興

 

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